イノシシ仕留めるため市域外で銃器使用、書類送検 福井県越前市の鳥獣対策元隊員男性

越前市役所=福井県越前市府中1丁目

 福井県の越前市鳥獣被害対策実施隊の隊員だった同市の男性が昨年7月、鳥獣保護管理法に基づく許可区域外の同県南越前町の山中で、わなにかかったイノシシを仕留めるために銃器を使用したとして、書類送検されていたことが6月20日分かった。

 同実施隊は、越前市長が任命する猟友会会員らで構成。鳥獣捕獲や防護柵の設置などを行い、勤務中は公務員と同等の身分となる特別職非常勤職員に位置付けられている。男性は福井県猟友会南越支部に所属し、有害鳥獣捕獲のための銃器使用の許可を受けた区域は同市内だけだった。

 市によると、現場近くの町民から連絡を受け、市が本人に確認し、県に相談した上で県警越前署に通報した。男性は昨年8月に猟友会を脱退し、同実施隊の任を解かれ、11月に書類送検された。市は隊員向けに法令に関する緊急研修を行った。

 20日の市議会本会議一般質問で土田信義議員(市民ネットワーク)が事案を指摘し、理事者が経緯を説明。「大変残念な事案だった」とし、研修の充実に取り組むと述べた。

© 株式会社福井新聞社