長崎・西泊中で「国際会議」 核軍縮に向け意見交わす 長大レクナが出前授業

提言を採択する生徒と講師の中村准教授=長崎市西泊町、西泊中

 長崎市立西泊中(沖島理恵子校長、247人)で16日、「国際会議をやってみよう」と題した授業があり、3年生2クラス計約80人が「核保有国」「非核保有国」などの立場から核軍縮に向け意見を交わした。
 長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)の中村桂子准教授による出前授業の2回目。核兵器を持つ「レッド国」「パープル国」、核の傘に頼る「オレンジ国」「ブラウン国」、核廃絶を訴える「グリーン国」「ブルー国」の三つの立場の6グループが、自国の利益を考えながら、平和な国際社会を目指して議論した。
 1組では、約40人が議論。核を使われた歴史があるのに、なぜレッド国の核抑止力に頼るのかと質問されたオレンジ国の生徒は「あまりよく知らない保有国のパープル国と、同盟関係にあるブラウン国が怖いから」と反論した。
 生徒らはグループごとに提言を発表。「核兵器を持つ国が協力し減らす」「核兵器をなくす条約、目標を作る」など四つの案が過半数を獲得し、採択された。
 核兵器を持つパープル国だった木原美悠さん(14)は「なくす意見は多く出たが、互いの意見に合意するのは大変」、核の傘に頼るブラウン国の白武幹規さん(15)は「現実世界には核保有の格差が存在し、核保有国が核を減らす運動と、核の傘から抜け出す方法を考えなければいけない」と感想を話した。
 出前授業最終日の23日は、議論を振り返る。

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