地域課題、自分ごとで考えよう サイさん提供の人材育成プログラム、山形で発表会

本県を支える人材育成プログラムについて発表したサイヒロコさん(中央)ら=山形市・ジョージ山形

 10年後、20年後の本県を支える人材の育成プログラムに関し、世界的な環境アーティストのサイヒロコさんが提供する第1弾の発表会が20日、山形市のジョージ山形で開かれ、概要が示された。第1弾は仮想空間(メタバース)上の本県を舞台に、高校生や大学生がデジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れ、若者の県外流出という地域課題の解決策を考える。

 県が最上地域をエリアに取り組む、ソーシャルイノベーション創出モデル事業の一環。地域課題を自分ごととして捉えて解決策を考え、実践し、持続可能な本県づくりに貢献する人材の育成を目指す。

 プログラムは今秋にも始まる。NTT東日本などのデジタル技術を使い、共創の拠点となる「メタバース山形県」を作り、若者に挑戦を促す。実践経験を重ねる中で創業アイデアを見つけてもらう。実現可能なアイデアは具現化を図る。

 サイさんは金山町のマルコの蔵で創作に取り組み、メタバースでも作品をデジタル化する。若者に芸術を生むプロセスを応用するアート思考や、グローバル思考を教え、ビジネスアイデアの創造を支える。

 発表会で、サイさんは同事業チーフコーディネーターの小野寺忠司山形大アントレプレナーシップ教育研究センター長と概要を説明した。上杉鷹山の「なせば成る」の言葉が心の支えといい、「アートは社会を変えるもの。山形から世界にいろいろなことを発信したい」と述べた。

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