市バスの車内案内「停車まで座って待って」「お降りの方は早めに前へ」注意に戸惑う乗客

京都市内を走る市バス。降車地が近づいたら早めに前に移動した方がいいのか、止まるまで座っていた方がいいのかと悩む声が寄せられた(25日、京都市中京区)

 「バス停に止まるまで座ってお待ちください」と「お降りの方は早めに前に移動してください」。京都市バスに乗っていると、相反するアナウンスを聞くので戸惑う―。こんな疑問が京都新聞の双方向報道「読者に応える」に寄せられた。正しいのはどっち?

 京都市中京区の女性(58)は通勤で市バスに乗る時、正反対の内容のアナウンスに悩むという。「早めに移動してください」と言われる時があるかと思うと、「乗り合わせた人がバス停に着く前に移動して、運転手さんにきつい口調で注意されているのも聞いたことがある」。

 女性は以前にバスが急停車した時に車内で転倒したことがあり、「止まるまで座らせてもらう方が安心して乗っていられる」と話す。「早めに移動した方がいいのか、座って待っててもいいのか、どちらが正解なんでしょう」

 市交通局自動車部運輸課の担当者の答えは明快だった。「安全が最優先ですので、バスが止まるまで座って待っていただきたいというのが正式な考えです」。運転手にも、停車してから移動してほしいと乗客に呼びかけるよう伝えている。

 とはいえ、「バスが遅れている時などは、運転手が時間を気にして『早めに前の方に移動して』とアナウンスしてしまっていることがあるかもしれません」と想像する。

 同課によると、例えば京都駅から東大路通や河原町通を北上するバスでは、五条坂(東山区)など比較的近い所で降りる人には車両前方に、銀閣寺(左京区)など遠くまで乗る人には車両後方にいるよう勧めることがある。「でもそれはあくまで始発駅での出発前の呼びかけ。動いている時は焦らず、バスが止まるまで席に座っていただくようお願いしたいと思います」

 

© 株式会社京都新聞社