佐世保空襲の記憶を後世に 市役所通路でパネル展 29日まで

佐世保空襲後の被害を伝えるパネル展=佐世保市役所

 1945年6月の佐世保空襲の被害を伝えるパネル展が、佐世保市役所高砂駐車場7階連絡通路で始まった。終戦後まもなく占領軍が撮影した白黒写真20枚を展示している。29日まで。
 空襲を後世に伝え、恒久平和につなげようと、市が主催。市役所周辺など被害に遭った町並みや、当座をしのぐバラックが点在する様子を伝えている。比較できるように、同じ場所を捉えた現在の写真も展示している。
 パネルを見た春日町の川﨑葉子さん(71)は、母親から焼け野原になった市街地の様子を教わったという。「当時は苦しかっただろう。ここまでよく復興できた」と話した。
 佐世保空襲は45年6月28日深夜から翌日未明にかけて、米軍のB29爆撃機が市街地に焼夷(しょうい)弾約千トンを投下。全戸数の約35%にあたる約1万2千戸が全焼し、1200人以上が犠牲になった。
 市は29日に平瀬町の市民文化ホールで「佐世保空襲死没者追悼式」を開く。新型コロナウイルスの影響で、通常開催は4年ぶりとなる。

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