「未指定」文化財だけど「名品」 1000カ所調べて見つけた、仏像や美術品14点

大津市が市内の寺社を現地調査し、確認された未指定文化財の仏像など(大津市歴史博物館)

 大津市内の寺社に伝わる未指定文化財を展示するミニ企画展が、同市御陵町の市歴史博物館で開かれている。市による調査で仏像や美術品などの中に数多くの名品が確認されたとし、その中の一部を紹介している。

 市は昨年度から、市内にある全ての寺社の約千カ所を訪ねて文化財を調べ、管理や活用に役立てようとしている。調査は10年以上かかる。昨年度の結果として、価値が高い14点を展示した。

 大正寺(坂本6丁目)の地蔵菩薩立像は、一木造の製法や衣の文様から10世紀前半の作で、比叡山周辺では最古級の仏像とみられるという。

 龍王宮秀郷社(瀬田2丁目)に残る秀郷立像は、ムカデ退治伝説の藤原秀郷(俵藤太)をかたどった全国でも希少な彫像。江戸初期に寄贈されたと伝わっている。

 室町期の十二天図や獅子頭もある。同館は「これだけの文化財が調査で出てくる地域は少ない。大津の歴史の奥深さを感じてほしい」とする。7月2日まで。有料。

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