七尾を舞台にしたアニメ「君は放課後インソムニア(君ソム)」をきっかけに七尾に足を運んでもらおうと、作中に描かれる駅前などでキャラクターと一緒に記念撮影できるアプリの提供が21日始まった。拡張現実(AR)技術を使い、市内11カ所でスマートフォンをかざすと、キャラが表示される仕組み。君ソムは23日に実写映画の公開も始まり、「聖地巡礼」での誘客につなげる。
●創生ななお提供 11カ所に登場
アプリは駅前の施設パトリアを管理運営する「創生ななお」が提供する。
作品には、七尾高をモデルにした「九曜(くよう)高」に通う主人公たちが、七尾市中心部の御祓川沿いを歩くシーンがあり、川に架かる橋や周辺の店舗、施設でスマホのカメラ機能を使うと、その場所に応じたキャラクターが画面に映し出される。七尾出身の絵師長谷川等伯の像が立つ駅前施設「ミナ・クル」では、等伯像と同じポーズを取っている。
駅前から能登食祭市場までの9カ所のほか、駅から離れているものの、作品に描かれるお好み焼き店「平野屋」、ゲームセンター「ベティ」でもARで撮影ができる。
創生ななおでは、駅周辺9カ所のスポットを全て巡ると、パトリア内の特設ブースで先着3千人にオリジナルクリアファイルとステッカーなどを贈る予定で、アプリをきっかけに年間約1万人の誘客を見込む。宿泊や飲食、土産品などを含めると1億5千万円程度の経済効果を期待している。
「君ソム」は漫画家オジロマコトさんが「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で連載中の作品で、夜に眠れないという悩みを共有する女子高生の曲伊咲(まがりいさき)、男子高生の中見丸太(なかみがんた)の青春を描いている。映画では俳優の森七菜さん、奥平大兼さんが主演する。
「君ソム」のアニメと映画は北國新聞社が特別協賛している。