チームタデ原が本年度の活動スタート 九重町の子どもたちが湿原を観察【大分県】

湿原を観察するチームタデ原の子どもたち=九重町
「一緒に活動しよう」と呼びかけるチームタデ原の子どもたち

 【九重】九重町飯田地区に広がるタデ原湿原の自然環境や生態系の保護について子どもたちが学ぶ「チームタデ原」の本年度最初の活動が17日、同湿原であった。生き物や植生、豊かな湿原を生み出す湧水などを観察した。

 本年度のメンバー8人のうち、小学4年生~中学1年生の6人が参加。長者原ビジターセンター(田野)を出発し、通常は立ち入り禁止の湿原内に入った。指山湧水では九重ふるさと自然学校の職員から「2万立方メートルの水が毎日湧き出ている。町内全体の風呂に換算すると25年分にもなる」と説明を受け、湧水の味を確かめた。

 活動4年目の木村結季さん(12)=ここのえ緑陽中1年=は「もともと自然に興味があって参加した。湿原の意味やタデ原の成り立ちを学び、キッズガイドにも挑戦した。身近で尊い存在をしっかり学んできて良かった」と話す。

 タデ原湿原は、国際的に重要な湿原の保護を目指すラムサール条約に登録されている。チームタデ原は2015年、飯田地区の子どもたちが集まって結成。地元の自然を学び、伝えていく活動を始めた。町内の他地区からもメンバーを受け入れるようになり、取り組む内容は子どもたち主体で考えている。国、町、九重の自然を守る会などでつくる「くじゅう地区管理運営協議会」が活動を支える。

 昨年度は計8回の活動で坊ガツル学習会、野焼き見学などを実施した。次回の活動は8月で、1泊2日のキャンプを予定。町内に住む小学4年生~中学3年生なら、年度途中からでも参加できる。

 問い合わせは長者原ビジターセンター(0973.79.2154)。

© 有限会社大分合同新聞社