「べっぴん鱧」観光客ら満喫 骨切りショー、ハモレース…郷土料理の振る舞いも 南あわじで「祭り」

自慢のハモに観光客らが歓声を上げた=福良漁協(淡路島観光協会提供)

 兵庫県淡路島を代表する夏の味覚ハモの旬の時期を迎え、南あわじ市福良丙の福良漁業協同組合前で「べっぴん鱧(はも)祭り」が開かれた。郷土料理「ハモすき」の振る舞いをはじめ、ハモの骨切りショー、ハモレースなど盛りだくさん。多くの観光客らが詰めかけ、特産の魅力を体感した。(荻野俊太郎)

 同市の離島・沼島の近海で取れるハモは、引き締まった太い胴と小さな顔が特徴。はえ縄で1匹ずつ釣り上げるため傷も少なく「べっぴん鱧」と呼ばれる。

 祭りは、そうした淡路島のハモの良さをより広く知ってもらおうと、福良漁協や淡路島観光協会(洲本市港)が2008年から協力して開く恒例イベント。新型コロナウイルスの影響で今回は4年ぶりとなり、18日に開かれた。

 ハモレースは、特産の淡路瓦で作ったコースの上部からハモを流し、観光客らが1着ゴールを予想。的中した人には淡路島産のタマネギがプレゼントされた。

 骨切りショーでは、長年の修業が必要とされるハモの骨切りを料理人が実演。華麗な包丁さばきに人々から感嘆の声が上がった。

 その後、タマネギや地元産の手延べそうめんを入れたハモすき200食が振る舞われると、観光客らが次々と集まり、自慢の味と食感を満喫した。

 明石市から訪れた児童(5)は「初めて食べた。やわらかくておいしい!」とにっこり。母親(46)は「ハモのあっさりとした味とタマネギの甘みが合わさって、美味です」と満足そうだった。

 同協会の粟井奈津紀さん(36)は「こうした機会を通じて、ハモ以外の目的で南あわじに来た人にも食べてもらい、また次に足を運んでもらうことにつながれば」と期待。さらに「今後はもっと若い人向けにアピールできるイベントも企画したい」と抱負を語った。

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