「あなたの世界は変えられる」 刺繍でアフリカの女性支援 元青年海外協力隊・蒲地さん 佐世保の母校で講和

「将来苦しいこともあるだろうが、視点を変えれば、あなたの世界はいくらでも変えられる」と話す蒲地さん=佐世保市松山町、聖和女子学院中

 国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員として、北アフリカのモロッコで現地女性の収入向上のために活動した、聖和女子学院高OGの蒲地(かもち)里奈さん(44)が、佐世保市の同学院中で講話した。現地で苦労しながらも歩み続けた経験などを語り「将来苦しいこともあるだろうが、視点を変えれば、あなたの世界はいくらでも変えられる」と生徒らの背中を押した。
 佐賀県有田町出身。2010年~12年に派遣され、現地の女性らがつくる、規則的な幾何学模様が特徴の伝統工芸「フェズ刺しゅう」に着目。スカーフなどを販売して貢献した。任期終了後にブランドを設立。東京などのイベントでバッグなどを販売している。
 蒲地さんは、現地で仲間の裏切りにあうなど「心が折れた」時期もあったという。それでも、支えてくれた女性らと再出発し「あの時諦めなくてよかった」と胸を張った。
 講話後は生徒らが班に分かれ「空腹で困窮する兄弟」を想定し、自立できる支援策を話し合った。海水から塩を作って販売する案や、海ごみを再利用して販売するなど多様な意見があがった。3年の作江悠莉愛(ゆりあ)さん(15)は「視点を変えると、貧しい状況でも助け合いで豊かになれると気づけた」と話した。

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