「びびりな性格」は警察犬向き? 高鼻が得意な「ヴィクトール号」22分で行方不明者発見 兵庫・篠山署

行方不明者を発見したヴィクトール号とペアの広瀬雅巡査部長=丹波篠山市郡家、篠山署

 行方不明になっていた兵庫県丹波篠山市の70代男性を発見したとして、同県警篠山署は県警鑑識課の警察犬「ヴィクトール フォン マイン リーベ号」(3歳、雄)に表彰状とビーフジャーキーを贈った。男性は持病があり、発見に時間がかかれば命の危険もあったという。パートナーで同課の広瀬雅巡査部長(40)は「訓練の成果を発揮して、助けることができてよかった」と話した。

 同署によると、今月3日午後5時半ごろ、男性の妻が買い物から帰宅すると男性の姿がなかった。付近を捜したが見つからなかったため、110番。3日夜から、防犯カメラ映像や目撃情報などを基に、署員をはじめ消防団や自治会なども協力して捜索にあたった。

 ヴィクトール号は5日午前9時40分ごろから現場出動。男性の寝具類のにおいを手掛かりに捜し始めた。22分後の同10時2分、自宅から北東約800メートルの河川沿いの急斜面で、男性が横たわっているのを発見。現場は草木が生い茂り、周りから見つけにくい場所だった。男性は顔にかすり傷があり、衰弱していたが命に別条はなかった。

 2020年12月に警察犬になったヴィクトール号。広瀬巡査部長によれば「めっちゃびびりな性格。だからこそいろいろなことに敏感に反応できるのかもしれない」。空気中に浮遊するにおいをとらえる「高鼻」が得意といい、「これからも頑張ってもらいたい」とねぎらった。(谷口夏乃)

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