温泉、食、宿「満足」9割 おもてなし山形、村山地域で観光客調査

 観光地域づくり法人の「おもてなし山形」(山形市)は昨年7月~今年2月に山形市など村山地域の全14市町の宿泊施設や日帰り観光施設など50地点で、観光客を対象に満足度を調査した。旅行の期待感と満足感を聞いたところ、温泉や食、宿泊施設を「大いに期待して訪れ、予想通り大変満足した」との回答が約半数で、おおむね合格点となる「まあまあ期待し、満足した」を含めると約9割に上った。

 2021年に発足した「DMOさくらんぼ山形」の委託を受けて実施した。14市町の結果が出るのは初めて。期待度と満足度は4段階評価で自然、温泉、歴史・文化など10項目を尋ねた。期待度は「大いに期待」が温泉58.7%、宿泊施設44.8%、ご当地の味覚47.6%で、「まあまあ期待」を含めるとそれぞれ92.7%、88.8%、93.6%だった。満足度は「大変満足」が温泉59.0%、宿泊施設50.2%、ご当地の味覚52.4%で、「満足」と合わせるとそれぞれ98.3%、96.5%、97.2%となった。

 他の項目も期待度、満足度とも低くはないが、「大いに期待」し「大変満足」の割合が多かったのはこの3項目だった。おもてなし山形は「宿泊や食事がポイントになり、磨き上げをしていくことが今後の鍵になる」と話す。

 属性別で多いのは、女性が57.2%、50歳代27.7%、夫婦37.1%。県外客が64.6%で宮城県、東京都が多かった。1人当たりの消費額は4万5869円だが、県外宿泊客(5万5560円)や初回訪問者(6万6880円)の額が高かった。おもてなし山形は「観光客の属性を理解し、地域が稼ぐための根拠にしたい。14市町に周遊してもらえるような旅行商品の造成などにつなげたい」としている。

 調査は旅館などの宿泊施設28地点、道の駅や日帰り入浴施設など22地点で実施。施設に掲示したポスターなどのQRコードを読み取り、スマートフォンで回答を得た。1955件を回収した。

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