クリミア北部の橋に攻撃 英国製巡航ミサイル使用か

パリ国際航空ショーで展示された、巡航ミサイル「ストームシャドー」=19日、パリ(AP=共同)

 ロシアがウクライナ南部クリミア半島の併合後に創設した「クリミア共和国」のアクショーノフ首長は22日、クリミア北部と本土側のヘルソン州を結ぶチョンガル橋が同日未明に攻撃を受け、交通が中断したと明らかにした。死傷者は出ていないという。タス通信が伝えた。

 ヘルソン州のロシア側行政府トップ、サリド氏は、英国が供与した空中発射型巡航ミサイル「ストームシャドー」が使われたとみられると述べ、「民間インフラへの野蛮な攻撃だ」とウクライナ側を非難した。

 ロシアのショイグ国防相は今月20日の国防省幹部らとの会議で、ウクライナ軍がクリミアを含むロシア領内に対してストームシャドーなど欧米が供与した長距離攻撃兵器の使用を計画していると指摘。ロシア領が攻撃されればウクライナ側の意思決定中枢を即時に攻撃すると述べていた。ロシア軍がウクライナの首都キーウ(キエフ)などへの攻撃を強める可能性がある。

 ロシア通信は治安当局者の話として、橋には4発のミサイルが撃ち込まれたと伝えた。(共同)

損壊したウクライナ南部クリミア半島とヘルソン州を結ぶチョンガル橋=22日(ヘルソン州のロシア側行政府トップ、サリド氏のテレグラムから・ロイター=共同)

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