手錠でつなぎ炎天下のコンテナに監禁… 少年少女は死亡 32年前の事件のコンテナ 解体を完了 瀬戸内海に浮かぶ小さな島

32年前、広島県三原市の小佐木島で少年少女2人が監禁され亡くなった事件…。監禁に使われ、事件の後、放置されたままだったコンテナが解体されました。

新幹線も止まる三原駅から三原港まで徒歩5分、そこから高速船で14分…。瀬戸内海に浮かぶ小佐木島です。周囲3.2キロ、現在は5人が住む、自然豊かな小さな島です。

この島に30年以上に渡って放置されたままのコンテナ…。22日朝から作業員9人が撤去作業を始めました。コンテナの中にあった、いつから置かれていたかもわからない枯れた花や机などを運び出していきます。

米田健太郎 記者
「コンテナの解体作業が始まりました。自然豊かな閑静な島に作業の音が響いています」

そして、重機でコンテナを解体していき、廃材をトラックに積み込むなどしました。

事件は32年前、1991年に小佐木島にあった民間の施設「風の子学園」で起きました。

この施設は、非行のある子どもたちの矯正などを目的に運営されていましたが、当時の園長が、タバコを吸った罰として当時14歳の少年と16歳の少女を手錠でつなぎ、炎天下のコンテナに2日間にわたって監禁…。2人は死亡しました。

島民たちはコンテナの撤去を要望していましたが、三原市によりますと、地権者が同意し撤去することを決めたということです。

この4月まで30年以上にわたって地元の区長を務めていた岡本正穂さん(93)は…

小佐木島 元区長 岡本正穂 さん
「あそこを通るたびに2人が亡くなったかと思えば、かわいそうであるし。ひと段落ついたか…というような感じ。32年前の事件だから、やれやれ、これで済んだかというような感じ」

里海の環境維持に取り組み、今回のコンテナ撤去にも協力した財団の関係者は、これからは安心して人が集う場所になればと願っています。

ポエック里海財団 八木健太郎 理事
「こちらは当然、所有者さんがさんがいらっしゃるので、どのようにされるかはわたしたちにはわかりかねますが、(このあたりは)もともと海水浴場であったということもあるので、何かしらまた多くの人が来られるような場所になればいいなという思いはあります」

コンテナの解体は22日夕方までに終え、来月中には全ての廃材などの運び出しも完了する予定だということです。

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