「真相明らかに」西山美香さん、取り調べ警官らを証人申請 滋賀・湖東病院冤罪国賠訴訟 

大津地裁

 滋賀県東近江市の湖東記念病院での患者死亡を巡り、再審無罪が確定した元看護助手西山美香さん(43)=滋賀県彦根市=が、国と滋賀県に賠償を求めた訴訟の第8回口頭弁論が22日、大津地裁(池田聡介裁判長)であった。西山さん側は、捜査や公判に関わった警察官や検察官らの証人尋問を申請した。

 西山さん側が証人申請したのは、取り調べを行った警察官とその上司、起訴判断をした検察官、再審公判で有罪立証を放棄した検察官、再審開始決定に特別抗告した当時の大阪高検検事長、遺体を解剖した医師、再審請求中の西山さんの精神鑑定を行った医師、西山さんの母令子さん(72)の計8人。西山さん本人の尋問も申請した。被告側は現時点で採否について態度を示しておらず、今後の進行協議などで表明する。

 西山さんは法廷で「迅速に対応してもらい、一刻も早く事実が明らかになることを待っている」と求め、閉廷後の会見では「真相を明らかにして、冤罪(えんざい)に巻き込まれてつらい思いをしたと世の中の人に分かってもらえたら」と話した。

 西山さんは会見で、鹿児島県で男性の遺体が見つかった「大崎事件」で殺人罪などで服役し、今月5日に再審請求を退ける決定を受けた原口アヤ子さん(96)と20日に面会した時の様子を語った。大阪市の女児焼死を巡り再審無罪となった青木惠子さん(59)とともに、原口さんが入院する鹿児島県内の病院を訪れて誕生日プレゼントを贈り、3人で闘うことを改めて誓ったという。

 「(原口さんは)話せないが、首を持ち上げてうなずいてくれて、励ますつもりで行ったのに励まされた」と述べ、自身の訴訟を通じた冤罪撲滅への決意を新たにした。

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