【インドネシア】政策金利5.75%で据え置き、5カ月連続[金融]

インドネシア中央銀行は22日、前日から2日間にわたって開いた月例理事会(金融政策決定会合)の決定に基づき、政策金利の7日物リバースレポ金利を5.75%で据え置くと発表した。5カ月連続の据え置きとなる。

市場金利の実質的な下限である「翌日物預金ファシリティー金利(FASBI)」と、市中銀行が中銀から資金を借り入れる際の「貸出ファシリティー金利」も、それぞれ5.00%、6.50%で維持した。

中銀は同日の声明で、世界経済の不確実性は高まっているものの、インドネシア経済は、国内需要や輸出実績、海外からの観光客の回復に支えられ、堅調な状態が続いているとした。消費者物価指数(CPI)の上昇率は、中銀が目標とする2.0~4.0%の上限水準で抑制できていると指摘し、今後も目標値内に収まるとの見方を示した。

2023年の世界経済の成長率を2.7%、インドネシアの実質国内総生産(GDP)成長率を4.5~5.3%とする予測は維持した。

三菱UFJ銀行ジャカルタ支店のトレジャリーアドバイザー、森嶋正氏はNNAに対し、「市場の予想通りの据え置きだった」とコメント。中銀は輸入インフレを阻止すべく、ルピアの安定の確保に注力すると発言していることから、利下げは近いうちにはないことを示唆したとの見方を示した。

その上で、「年内は金利据え置きの可能性が高いが、あくまで米準備制度理事会(FRB)の利上げ動向とそれによるルピア安圧力次第だ」と指摘。輸出の伸び悩みが想定される中、高金利据え置きを背景に国内投資減速への懸念が強くなるようであれば、年末付近に利下げに転じる可能性はあると述べた。

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