鴨居玲で映像、泉鏡花でダンス 金沢ナイトミュージアム 公募15企画採用

「仕立て屋のサーカス」のパフォーマンス(市提供)

 8月から開催される「金沢ナイトミュージアム」(北國新聞社後援)で今年初めて、一般公募の15企画が実施されることが決まった。洋画家鴨居玲(かもいれい)を題材にした映像作品の公開や、泉鏡花の短編小説をイメージしたダンスの披露など創造性に富んだアイデアが集まった。例年以上に趣向を凝らした内容で、夜の金沢の文化観光を盛り上げる。

 金沢ナイトミュージアムは金沢芸術創造財団などが、市内の文化施設を夜間に特別開館して2013年から開催している。今年も芸術家やコーディネーターが企画した音楽、朗読など多彩な14種のプログラムを用意しているが、新たな試みとして、寺や図書館などを会場に一般公募のプログラムを加えることになった。

 石川、富山のほか、東京、大阪、島根などから計49案の応募が寄せられ、15案に絞られた。曹洞(そうとう)宗香林寺(野町1丁目)では、陶像を使った造形美術と打楽器演奏によるパフォーマンスが行われる。県立美術館では鴨居玲を題材にした映像の披露、主計町(かずえまち)近辺では泉鏡花の短編「榲桲(まるめろ)に目鼻のつく話」に影響されたダンスが披露される。

 ビートルズを研究するユニットの演奏や、ろう者と聴者による異色のトークショーなども楽しめる。1事業当たり3~20万円を支援する。

  ●幕開けは7年ぶり仕立て屋のサーカス

 開幕プログラムとして、国内外で活躍する舞台芸術グループ「仕立て屋のサーカス」が7年ぶりに公演することも決まった。金沢21世紀美術館で音楽家と裁縫師、照明作家がつくる音、布、光の世界を繰り広げる。

 金沢芸術創造財団の担当者は「文化芸術、アートに触れる入り口として、肩肘張らず気軽に楽しんでほしい」と話した。期間は8月4日から10月28日まで。

© 株式会社北國新聞社