豊後大野市出身・難波三江のふすま絵など51点 30日まで「岡藩文人画家展」【大分県】

実家にあった難波三江のふすま絵を公開した衛藤ツネ子さん=豊後大野市千歳町下山の中九州アートミュージアム幸寿記念館
実家にあった難波三江のふすま絵を公開した衛藤ツネ子さん(右)

 【豊後大野】豊後大野市千歳町下山の中九州アートミュージアム幸寿記念館で、市出身の南画家の作品を中心に集めた「岡藩文人画家展」が開かれている。幸寿顕彰会(二ノ宮春光会長、8人)の主催。存在は知られるもののほとんど作品が残っていない同市三重町小坂生まれの難波三江(さんこう)(1840~93年)のふすま絵など51点を展示している。30日まで。

 顕彰会によると、豊後大野市域からは岡藩出身の南画家田能村竹田の流れをくむ優れた作家を数多く輩出している。

 三江は庄屋の三男として生まれ、13歳の時、三重町宮野で大庄屋をしていた難波家の養子になった。幼い頃から絵を好み、帆足杏雨に師事。師範学校の教師などをしたが40歳で辞めて絵画に専念し、各地の支援者の家に滞在しながら制作した。

 千歳町の柴山八幡に三江の絵馬が残るが、確認されている作品は少ないという。二ノ宮会長が、元中学美術教諭衛藤ツネ子さん=三重町内田=の実家(旧庄屋・臼杵市野津町西畑)にウメを描いたふすま絵があると知り、公開を依頼した。

 「濃淡をうまくつけ、無駄なものを省いた構図で自然を愛する気持ちが伝わる。多くの人に見てもらい、三江のことを知ってほしい」と衛藤さん。

 他に、豊後大野市大野町出身の中村長秋(ちょうしゅう)、同町で住職を務めた清原無暦(むれき)、千歳町出身の河野竹陰(ちくいん)ら29人の南画を飾っている。

 開館(月曜休館)は午前10時~午後3時。入場無料。問い合わせは同館(0974.37.3355)。

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