「将棋の面白さ伝えたい」佐藤康光九段、故郷で子ども12人と同時対局指導 京都・八幡

子どもたち12人に指導対局をする佐藤九段(八幡市八幡・市文化センター)

 京都府八幡市出身のプロ棋士の名を冠した「佐藤康光杯争奪将棋大会」がこのほど、同市八幡の市文化センターで開かれた。約240人が盤上で熱戦を繰り広げ、佐藤康光九段(53)による多面指し指導対局もあった。

 佐藤九段は1987年にプロ入りし、日本将棋連盟の会長も務めた。同大会は98年の名人位獲得を記念し、市などでつくる実行委が毎年実施。新型コロナウイルス禍で昨年は参加者を府民中心としたが、今年は近畿圏など全国の5歳から80歳が申し込んだ。

 大会では段位、級別に応じた3クラスと、小学生以下の2クラスに分かれて対局。参加者は次の一手を真剣な表情で考え、会場には「パチ、パチ」と駒を進める音が響いた。

 多面指し指導では、佐藤九段が子どもたち12人と同時に対戦。勝負がつくと、一人一人に「ありがとうございました。また頑張って」と声をかけ、攻守のポイントを助言した。京都府京田辺市の田辺小4年の男子児童(9)は「守りが手ごわかった。自分も棋士になりたい」と話した。

 佐藤九段は「自分が将棋を覚えたのがこのまち。大会はレベルが高くなっており、子どもたちにも将棋の面白さを伝えていきたい」と語った。

© 株式会社京都新聞社