誕生日前日の歓喜と“後悔”… 中島啓太が「人生初」のホールインワン!

中島啓太が人生初のエース達成(撮影/松本朝子)

◇国内男子◇ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ by サトウ食品 2日目(23日)◇西那須野CC(栃木)◇7036yd(パー72)◇曇り(観衆793人)

ピンの右に打ち出された放物線を見て、中島啓太は手元でウェッジをクルクルっと回した。後半14番(パー3)、ボールはピンの右奥からスロープを伝ってカップイン! 鮮やかなホールインワンにロープサイドに歓声が響いた。

中学生時代からエリート街道を歩んだ中島にとって、なんとこれが初めてのエース。ことし2月に日体大の合宿で「250ydくらいのアルバトロスはあったんですが…」。驚きと喜びとでクラブを両手で握りしめ、ピョンピョン飛び跳ねる姿に、同伴の先輩プロは大笑い。「あのリアクション、やり直せるならもう一回やり直したいです…」と、しばらくシャツで顔を隠して照れた。

中島啓太はホールインワンにビックリ(撮影/桂川洋一)

会心の一打も、実は計算しつくしたもの。「139ydくらい打って戻すというイメージ」。ロフト52度のウェッジではそのキャリーが出せるか微妙なところ。インパクトで自然とロフトが立つように、ティイングエリアで左足下がりになるポジションを選んでいた。

4アンダー17位から午後にプレーしたこの日は、出だしの1番、10番で3パットボギー。午前組が連発したロースコアを見て心が萎えそうだった。「僕がスタートする前にトップが15アンダー。11打差もあったので、無理だよ…って思っていた」

カップからボールを拾いあげて笑顔(撮影/桂川洋一)

波に乗れない展開かと思いきや、バックナインの起死回生のエース。そして直後もスコアを伸ばすあたりが今、中島が持つ強さの表れでもある。浮足立ちそうな場面で「すぐに気持ちの切り替えができた」。続く15番ではフェアウェイバンカーからクリーンに2打目を打ちピンハイへ。16番(パー5)は2オンさせて2連続バーディを奪い、最終18番は3mのチャンスを生かしてガッツポーズ。「63」をマークして首位とは2打差、通算13アンダーの3位に浮上した。

奇しくも前日、ドイツでの欧州ツアー「BMWインターナショナルオープン」で長く一緒に戦ってきた金谷拓実もホールインワンを達成。そして中島はあす24日に23歳になる。「あまり意識していないですけど、誕生日の前の日がこういう日で終わってくれた。あした、良いバースデーになるように頑張ります」。新しい一年の始まりも、さあ優勝争いだ。(栃木県那須塩原市/桂川洋一)

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