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子どもを中心に夏に流行する感染症「ヘルパンギーナ」について、静岡県内では5年ぶりに警報レベルを超えました。患者の数は過去最多となり、県が感染対策を呼びかけています。
<だきしめこども園 手洗いの様子>
「ゴシゴシしようね!」
6月23日、静岡市駿河区のだきしめこども園では、子どもたちが念入りに手洗いをしていました。感染症の対策を徹底していますが、6月に入って夏風邪の一種である「ヘルパンギーナ」の感染が増えてきたといいます。
<だきしめこども園 小林かおり園長>
「保護者が登降園する時に目にするように『ほけんコーナー』を毎週月曜に出している。感染が広がってきた時には乳幼児クラスで何人とアナウンスし、保護者に情報提供している」
園の入り口に感染症の流行状況や予防法を張り出し、保護者にも注意を呼びかけます。さらに、ヘルパンギーナが広がりやすい乳幼児のクラスでは、園に勤務する看護師などが、子どもたちのなめたおもちゃの消毒に気を配ります。
<こども園の看護師>
「目の前で口にしたものを確認したら、みんなで消毒するようにしている」
また、ヘルパンギーナの症状として発熱や口の中に水ぶくれができるため、食事の進み具合などをチェックして早期の発見を心がけるなど対策に余念がありません。
<だきしめこども園 小林かおり園長>
「どうしても増えていく可能性はあるので職員で気を付けて、感染対策はできる限りのことを心がけている」
主な感染症の県内の状況です。新型コロナやRSウイルスが徐々に増えつつある中、ヘルパンギーナは急増しています。県は6月22日、ヘルパンギーナについて5年ぶりに警報レベルを超えたと発表。6月18日までの1週間に報告された患者数は1つの定点医療機関あたり8.85人となり、記録が残る2006年以降最も多くなりました。
感染症の専門家は、コロナ禍で流行が抑えられていた反動を指摘します。
<県感染症管理センター 後藤幹生センター長>
「3年間くらいヘルパンギーナの流行がなかったから3歳以下は抗体を持っていない。かかりやすい子がたまっているので多くかかる心配はしている」
感染を過度に恐れる必要はないといいますが、まれに重症化するケースもあり、受診の見極めが重要だとしています。
<県感染症管理センター 後藤幹生センター長>
「ぐったりして元気がなくて、飲んだり食べたりできない、顔色が悪い。これらはすぐ病院に行った方がいい症状」
日ごろの感染対策を続け、小さな子どもがいる家庭ではささいな変化にも気づく。状況を今よりも悪化させないためには、地道な努力を続けるしかなさそうです。