ホタル舞う中庭へビオトープ再生 金沢・扇台小、地域挙げて繁殖環境づくり

小雨が降る中、ホタルを探す児童=金沢市馬替1丁目

  ●探訪会で生息地も調査

 扇台小育友会が、同校の中庭でホタルが生息するビオトープの整備に乗りだす。数年前まで学校主導で行われてきたホタル飼育活動が教員の多忙化に伴って数年前から段階的に縮小されていることを受け、育友会が企画した。地域を挙げて子どもたちの環境教育を充実させる。

 整備事業の始動に向け、育友会の有志ら6人は5月中旬、「扇台小学校ホタルの会」を創設した。計画によると、来年度末までにコケを植え付け、池に水循環ポンプを設置する。

 事業は市の「ほたるのまち創造事業」に採択された。22日夜にはキックオフイベントとしてホタル探訪会(北國新聞社後援)を扇台公民館などで開き、児童と保護者60人が生息場所の調査などを行った。

 ビオトープを整備する中庭は約650平方メートルで、小川や池のほか、ホタルの幼虫を飼育する施設「ホタルの家」がある。計画では、ホタルの家と池をつなぐ循環ポンプを取り付けるなどし、ホタルが自然に繁殖できる環境づくりを目指す。

 同校は1984年からホタルの飼育に取り組み、90年代にはホタルの家で約1万匹の幼虫を飼育。地元の高橋川や金沢城外濠(そとぼり)公園白鳥路にも放流した。年1回、児童を対象に中庭で開く観賞会は人気のイベントだったが、現在は行われていない。

 扇台小OBで、ホタルの会会長の中山浩さん(44)は「昔、中庭で見たホタルが本当にきれいだったのを覚えている。子どもたちにも同じ感動を味わってほしい」と話した。

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