「ごいた」女性に浸透 国民文化祭控え講習会 能登町商工会

洲崎会長(右から3人目)の手ほどきで、ごいたを体験する参加者=能登町商工会館

 今秋の国民文化祭の事業として能登町で同町宇出津発祥の盤上ゲーム「ごいた」の全国大会が行われることを受け、町商工会の女性部員がごいたの習得に乗り出した。全国では男女ともに愛好者が増えているが、宇出津では漁師が考案したことから「男の遊び」として捉える風潮が根強い。講習会を開催したところ、参加者からは「楽しい」との声が相次ぎ、女性部では講習会を継続するなどして愛好者の裾野を広げる。

 ごいたの普及に取り組む伝承娯楽能登ごいた保存会(能登町)によると、全国の競技人口は増加傾向にあり、支部は東京、大阪、神奈川、埼玉、宮城、長野、金沢の計7カ所に増えた。女性愛好者の比率は全国では4割程度だが、地元では1割に満たないという。

 保存会は地元の女性愛好者を増やしたいと、2018年に女性部を結成した。国民文化祭で全国から女性を含め多くの愛好者の来町が見込まれる中、町商工会女性部も初心者向けの講習会を開き、盛り上げに協力することにした。

 20日に町商工会館で開いた初めての講習会には部員6人が参加した。保存会の洲崎一男会長と佐野勝二理事長が講師を務め、参加者は駒の種類やルールを学んだ後、商工会の職員や保存会女性部員を交えて対戦を重ねた。

 父がごいたの駒を作るほど熱心だったという宇出津出身の福池凡恵(なみえ)さん(45)=同町柳田=は「漁師の娯楽という印象が強く、初めて挑戦した。こんなに面白く、奥深いとは思わなかった」と笑顔を見せた。

 洲崎会長は「地元の女性愛好者が増えれば盛り上がる。保存会としても応援したい」と期待を込めた。保存会女性部の一員でもある町商工会女性部の谷田昌子部長(76)=同町宇出津=は「男性ばかりが楽しむのではもったいない。ごいたの魅力を知る女性を増やしたい」と意気込んだ。

 ★ごいた 約150年前の明治初期に考案された。2人一組のチームが9種類32枚の将棋に似た駒を盤上に出し合ってあがり点を競う。手持ちの駒を最初に出し切ったチームが勝ちとなる。2008年に能登町無形民俗文化財に指定された。

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