「いじめで不登校」…桶川市の再調査委が認定 21年の報告書では因果関係認められず 市が報告書を公表

桶川市役所=埼玉県桶川市泉

 埼玉県桶川市は、2018年に市立東中学校に通っていた女子生徒がいじめに遭い、不登校になったと訴えていた問題で、「桶川市いじめ問題再調査委員会」(森田智博委員長)の再調査報告書を23日までに、ホームページで公表した。報告書は2年生の時に自傷行為もしている女子生徒の心理を考察し、「いじめと不登校との間に因果関係は存在する」と認定した。

 報告書によると、当時中学1年生の女子生徒は、同級生からの悪口や暴言、無視といった行為によって心身不調となり不登校に至った。調査委は、当時の聞き取り調査など資料を再検討し、事実関係を検証。いじめの構造や特色などについて確認した。

 再調査報告書の公開は12月末日まで。市は「この答申を真摯(しんし)に受け止め、より一層のいじめ防止対策に努めたい」としている。

 21年にも第三者委員会の報告書が提出されたが、いじめと不登校の因果関係を認められなかったことを女子生徒と両親が不服として再調査を要請。22年4月、弁護士、医師、心理士などよる再調査委員会が設置された。

 再調査委は、学校がいじめを認知せず、スクールカウンセラーを適切に活用してなかったとし、生徒がいじめを訴えやすい体制の構築や被害生徒だけでなく加害生徒への対応、学校全体での情報共有、精神科医との連携などのガイドライン作成について提言している。

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