春の観光期44万人入場「コロナ禍影響ほぼ払拭」 あしかがフラワーパークと足利学校

市があしかがフラワーパーク近くに設置した臨時の観光案内所

 【足利】市内の代表的な有料観光施設「あしかがフラワーパーク」と「史跡足利学校」の今年春の観光シーズンの入場者数が延べ44万8421人に上ったことが、市観光まちづくり課のまとめで分かった。上武俊之(うけたけとしゆき)課長は「コロナ禍の影響はほぼ払拭できた」とみている。市は同パークを訪れた観光客の市中心部への誘導に力を入れており、今後、インバウンドなどに取り組む考え。

 市は大型連休に合わせて、18年前から市中心部への誘客事業を展開している。新型コロナウイルス感染拡大の影響でいったん中止したが、昨年から再開。今年はより本格的に取り組もうと、1カ所だった臨時の観光案内所を3カ所に拡大した。担当部局以外にも初めて協力を要請し、延べ126人の市職員が接客を担った。

 同パークの大藤の開花が過去最速タイとなったため、誘客期間を大藤などのライトアップが始まった4月15、16日にスタートさせ、4月22日~5月7日を加えた18日間に設定した。

 この期間の同パークの入場者数は42万4375人で、足利学校の入場者は2万4046人。前年の誘客事業の期間は4月29日~5月5日の7日間だったため、単純比較はできないが、両施設の入場者は前年比約23万人増となった。

 また市などは渋滞緩和のため、市中心部の臨時駐車場(12カ所)に車を止めて電車を利用してもらう「パーク&トレインライド」を4月22、23日と4月29日~5月7日の11日間、実施した。利用者は1188人となり、前年(7日間)の336人を大幅に上回った。JRが両毛線の上下線で1日14本の臨時列車を増便したことで、利便性の向上につながったという。

 一方で、同パークを訪れた外国人観光客の取り込みや、市中心部の交通手段の確保には課題があるという。早川尚秀(はやかわなおひで)市長は「秋の行楽シーズンに向け、受け入れ態勢をブラッシュアップしたい」と意気込んでいる。

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