魅力や歴史「小浜ってすごい」 温泉街の「さるく」で児童体感 長崎県雲仙市

斎藤茂吉の歌碑に刻まれた短歌を声に出して読む児童たち=雲仙市、夕日の広場

 長崎県雲仙市立小浜小(鎌田博校長、201人)の5、6年生72人は15日、小浜温泉街を歩いて魅力や歴史を学ぶ「小浜さるく」を楽しんだ。
 子どもたちに郷土愛を育んでもらおうと毎年開く。小浜温泉観光ボランティアガイドの会(吉岡誠一代表)が協力し、児童は16班に分かれて小浜神社や上(かみ)の川湧水、小浜歴史資料館など7カ所を巡った。
 医師で歌人だった斎藤茂吉は1920年に小浜温泉を訪れた。海に沈む夕日の感動を詠んだ短歌「ここに来て落日(いりひ)を見るを常とせり海の落日も忘れざるべし」の歌碑がある夕日の広場では、ガイドが茂吉は生涯に1万7907首を歌集にしたと説明した。「暑がりの茂吉はふんどし姿で小浜を歩き警察官に注意された」と当時のエピソードを紹介すると、子どもたちは声を上げて驚き、熱心にメモを取った。
 5年の中村陽夢斗君(10)は「たくさん短歌を作った斎藤茂吉が、小浜に来て歌を作ったことは知らなかった。すごい」と話した。

© 株式会社長崎新聞社