「長グリップにネオマレット」の中尺パター じわり増殖中

「長グリップ」「ネオマレット」「中尺」のブラッドリーは2日目「63」で首位キープ(撮影/服部謙二郎)

◇米国男子◇トラベラーズ選手権 2日目(23日)◇TPCリバーハイランド(コネチカット州)◇6852yd(パー70)

練習グリーンで世界のトップ選手を見ていると、スーパーストロークの長いグリップを差し、ネオマレット系の大ぶりなヘッドを入れた中尺パターの選手が多いことに気づく。元々の中尺ユーザーなのか、「全米オープン」のウィンダム・クラークとリッキー・ファウラーの活躍を受けて、使い始めているのかは定かではないが、いまPGAツアーで、「長グリップ×ネオマレットヘッド」のプチブームが来ているのは間違いないだろう。

ヤングは長いグリップにキャメロンのマレット(撮影/服部謙二郎)

気づく限りでも、キーガン・ブラッドリー(バーサ ジェイルバードプロ)、キャメロン・ヤング(スコッティキャメロンT-5プロト)、エミリアノ・グリジョ(ホワイトホットOG #5) 、ジム・ハーマン(ベティナルディ モデル名不明)、ジミー・ウォーカー(ジェイルバード)、ジョエル・ダーメン(TRI-HOT 5K #7)らが、中尺ユーザーで、ブラッドリーやウォーカーなどはまさに話題の組み合わせ「バーサ ジェイルバード×長いスパストグリップ」だ。

ブラッドリーはジェイルバードにスパストの長グリップを差す(撮影/服部謙二郎)

みんな微妙に握り方が違うが、大きく分けると「真っ直ぐ構える」形と、左手に沿うように構える「アームロック式」の2タイプに分かれる。クラークもファウラーもアームロックではなく、通常の握り方で構えているのは周知の通り(ファウラーはよりグリップを余している)。ウォーカーやヤングも通常の握り方で、大半の選手がシャフトを真っすぐにして、グリップを少し余らせて握っている。グリジョは通常の握りだが、ややハンドファーストな構えだ。今回チェックした中で、ただ一人ブラッドリーだけはアームロック式で、グリップも手首をロックしやすい「リストロック」というタイプだった。

クラークはややハンドファースト(撮影/服部謙二郎)

ブラッドリーは初日「62」、この日も「63」を出し、現在通算15アンダーで首位タイ。調子の良さをキープしているが、先週の全米オープンに引き続き、これだけ調子のいい選手が“スパストにジェイルバード”を使っているのを見ると、みんな「自分も打ってみたい」とソワソワしてしまうだろう。ちなみにブラッドリーのヘッドは、ソールに鉛を貼っておらず(クラークやファウラーは20gほどのおもりをソールに貼っている)、さらにインサートもホワイトホットプロのまま。ヘッドは軽そうだが、いったいどのようなバランスに合わせているのだろうか。

ちなみに、今週の練習日に松山英樹もスコッティキャメロンのマレットヘッドに、長いグリップを差して35インチのパターを作ってもらっていた。試合では使用しなかったが、やはりプロは“活躍している選手のパター”が気になるものなのだろう。中尺ユーザーは、このあとさらに増殖していくような予感がする。(コネチカット州ハートフォード/服部謙二郎)

ブラッドリーはアームロック式がお馴染み(撮影/服部謙二郎)
グリジョはハンドファーストに構えている(撮影/服部謙二郎)
ダーメンはファウラー式の握り方(撮影/服部謙二郎)

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