J秋春制、雪国に不利なく 野々村チェアマン、本社インタビュー

シーズン移行について語る野々村チェアマン=富山市の富山県総合運動公園陸上競技場

 Jリーグの野々村芳和チェアマンが24日、富山新聞社のインタビューに応じ、2月開幕の「春秋制」から8月頃開幕の「秋春制」とするシーズン移行の議論について「1月にウインターブレイク(中断期間)を設ける」とし、雪国のチームに不利は生じさせないと強調した。

 移行理由について、現行では6~9月の長期間、高温多湿の中でプレーする過酷さがあることや、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)が9月開幕に変更されたことを挙げた。

  ●札幌経験、実情に理解

 降雪地域の対応が懸念される中、北海道コンサドーレ札幌の運営会社会長などを務めた経験から「雪の状況や寒さはよく分かっている」と雪国の実情に理解を示した。富山などのサポーターの一部から反対の声が上がっていることに対しては「発信はしているけれど、うまく伝わっていない」とし、広く的確に説明するため各クラブへ協力を求めているとした。

 北陸では金沢で9月に専用スタジアムが完成する見通しとなっている。野々村チェアマンは「富山は冬にサッカーができる環境がほぼない。富山の20年後を考えた時、サッカーにおいてもより暮らしやすくすることを考えないといけない」と充実した施設整備の重要性も指摘した。

 野々村チェアマンは24日、富山市の富山県総合運動公園陸上競技場で行われた「シャレン!アウォーズ」の授賞式に参加するため、富山を訪れた。J3リーグ・カターレ富山―ヴァンラーレ八戸戦を前に、カターレの左伴繁雄社長とトークイベントにも参加した。左伴社長は7月にサポーターや行政、スポンサーに向けてシーズン移行の概要説明に力を入れる考えを明かした。

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