「けんせつ女子」いいね! 就業後押しへ、ユーチューバー県職員が発信

建設業界で活躍する女性技術者を取り上げた「やまがたけん☆県土ちゃんねる」の一場面

 道路や橋など社会基盤を手がけ県土強靱(きょうじん)化を現場で担う建設業界は重要だが、就業者の高齢化と労働力確保が大きな課題となっている。県は女性や若者の就業を後押ししようと、業界のイメージアップや情報発信に力を入れる。ユーチューバーでもある県職員が、ICT(情報通信技術)を駆使して活躍する若手の女性技術者の姿を伝えている。

 県土強靱化推進室長補佐の山口仁さん(51)が昨年、動画投稿サイト・ユーチューブに県土整備部公式チャンネル「やまがたけん☆県土ちゃんねる」を開設した。幅広いテーマでこれまで36本をアップしている。

 山口さんは今回、渋谷建設(山形市)の工務管理部ICT推進室で働く鈴木紀花さん(23)を取り上げた。動画のタイトルは「土建業界で活躍するカワイイ系女子が凄(すご)かった件」。出勤時から密着し、コーヒータイムから現場、デスクワークまで一日の業務を紹介している。

 動画の中で鈴木さんは、ドローンを操縦し測量のために上空写真を撮影。会社に戻ると画像データをパソコンで速やかに処理する。自在に機器やソフトを操る姿に、取材中の山口さんが「手際の良さに見とれる」と感心する。

 動画制作の狙いを山口さんは「建設業界で頑張る若い女性が特別な人ではなく身近に感じられるように」と話す。今後も鈴木さんを取材し、仕事ぶりやICT施工の進捗(しんちょく)状況を伝える。

 県建設企画課によると、本県の建設業従事者で現場に出て働く人の男女比率は男性約97%、女性約3%と、女性が圧倒的に少ない。女子高校生と女子大学生を対象とした「けんせつ女子ツアー&カフェ」を企画し、業界への理解を深めてもらう考えだ。

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