大河ドラマ「どうする家康」時代考証監修・小和田氏が舞台裏明かす 青森・三戸町で講演

来場者の質問に答える小和田名誉教授(右奥)

 NHK大河ドラマ「どうする家康」をはじめ多くのドラマなどで時代考証を監修している小和田哲男静岡大学名誉教授が24日、青森県三戸町の町民体育館で行われた「お城講座」で講演した。時代考証の舞台裏や、大学受験の際に弘前大学を志望校の一つに挙げていたエピソードなどを披露しつつ、徳川家康の居城について解説した。

 「家康の城-天下人が築いた名城-」の演題で約200人の聴衆を前に、三河岡崎城、遠江浜松城、駿河駿府城、武蔵江戸城と城を替え、大御所時代に駿河駿府城へと移った経過を解説。「テレビを通じ、比較的新しい研究成果を早く見ていただける」などと語った。また、さまざまな誤りを正してきたが、失敗談として「他のドラマでは、演出の意向で史実と異なる表現が盛り込まれたこともある」と述べた。

 昨年、国史跡に指定された三戸城跡については今回初めて訪れたとし「全国に誇れる城」としたほか、会場での質問に答える形で「大学入試の際は、お城の敷地内に大学があった金沢大、弘前大を志望、寮もお城の中にあるということで住んでみたかったが、父に叱られ家から近い早稲田大学に通うことになった」と語った。また、三戸城の石垣修復が武家諸法度に抵触するにもかかわらず行われたことは謎とし「三戸城を研究する上で大きなポイントになるのでは」と話した。

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