ベニシア・スタンリー・スミスさん死去 72歳、英国出身で京都・大原暮らし

ベニシアさん(2019年9月撮影)

 京都・大原の古民家に移り住み、ハーブを中心とした英国風の庭づくりや伝統を生かした暮らしを伝えたベニシア・スタンリー・スミスさんが21日午前8時33分、誤嚥(ごえん)性肺炎のため自宅で亡くなった。72歳。葬儀は近親者で行った。喪主は夫の梶山正さん。

 イギリス貴族の家に生まれ、19歳で祖国を離れ、インドを経て1971年に来日。78年に京都大(京都市左京区)の近くで英会話学校を開いた。96年に大原の築約100年の古民家に家族で移住。山里の四季の移ろいの中でハーブや花を育て、イースターや七草がゆなど伝統を尊重しながら生きる暮らしを文筆や講演、テレビ番組を通じて紹介してきた。

■NHK「猫のしっぽ カエルの手」にも

 京都新聞では2001年から、その生活の様子と交友をつづる「ベニシアの大原日記」を計62回にわたって連載した。NHKの番組「猫のしっぽ カエルの手」などにも出演し、その暮らしぶりや生き方に憧れる人が大原に大勢訪れた。

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