アユ守るため、バス釣りで貢献 白鷹・釣れた魚1匹300円で買い取り

左奥の「ヤナ場」で揚がるアユを守ろうと、ブラックバス釣り大会に参加する本紙記者=白鷹町

 日本最大級の規模を誇るアユのヤナ場がある白鷹町の最上川で、アユの減少の一因とされるブラックバスの駆除を目的とした、ロングラン釣り大会が開かれている。町の委託を受けた町観光協会が、釣れた魚を1匹300円で買い取る取り組み。寄せられた数は昨年に比べて少ないものの、25日までに約200匹となった。地域の観光資源でもあるアユを守ろうと、賛同した釣り人が、静かに奮闘している。

 同町の道の駅白鷹ヤナ公園あゆ茶屋は、8~10月に公園直下の最上川のヤナ場で揚がるアユが有名だ。一方、漁獲量は年々、減少傾向にあり、記録が残る2001年以降、同年の約4万8千匹をピークに、過去5年間の平均は2300匹程度に激減し、昨年は約千匹まで落ち込んだ。環境の変化に加え、外来魚で、何でも食べてしまうブラックバスが最上川でも生息域を拡大。アユの稚魚が捕食されていることが要因の一つになっている。

 釣り大会は20年度から開催し、昨年は最多の1633匹を買い取った。今年は5月16日から参加者を受け付け、100人が“駆除役”として登録した。高玉揚水機場から大平橋までの最上川でブラックバスを釣って、あゆ茶屋に持参。同協会が買い取る。

 白鷹町出身の会社員相田京太さん(22)=山形市=は20日に6匹を持ち込み、今年だけで27匹目。「上山市の老舗旅館で勤務し、接客で山形の魅力を紹介しているからこそ、プライベートでも古里に貢献したい」と語った。

20日に最上川で釣り上げられ、あゆ茶屋に持ち込まれたブラックバス=白鷹町

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