「議員活動で最優先されるべきは克行氏の機嫌ではなく…」大規模買収事件 石橋竜史被告に求刑

河井夫妻の大規模買収事件をめぐる被買収側の裁判で、広島市議会議員に罰金30万円などが求刑されました。

起訴状によりますと、広島市議会議員の石橋竜史被告(51)は4年前の参議院選挙をめぐり、河井案里氏を当選させる目的と知りながら、夫・克行元法務大臣から現金30万円を受け取った罪に問われています。

石橋被告はこれまでの裁判で、「現金の趣旨は当選祝いだ」と主張しています。

今日の公判で検察側は
「案里氏の選挙前に限って、それまで克行氏から渡されていない当選祝いを渡され、間近に迫った参議院選挙との関連を考えないとは言えない」
「受け取った現金が、従来克行氏から受け取っていたもち代、氷代より多額であることを認識しても克行氏に確認するなどしなかった」
などとして罰金30万円、追徴金30万円を求刑しました。

一方弁護側は、
「石橋被告本人の市議選後に『当選祝いです』と現金を渡されており、外形的、客観的には当選祝いとしか認識できない」
「石橋被告が無党派無派閥の議員で特定の支持母体を持たずに活動していたことは克行氏らも認識していて、克行氏は現金を交付する場では参院選について会話していない。石橋被告に組織的な集票は期待できないという認識は克行氏にもあり、選挙協力を求められるような存在ではなかった」
などとして、無罪を主張しました。

最後に石橋被告は
「本当に唯一、克行氏からの金員の交付だけは、その強引さも相まって、長年にわたりどうしても断ることができず、当時より、克行氏から受領した一切合切を公にしてこなかったのは全て私の不得の致すところ」
「議員活動として最優先されるべきは克行氏の機嫌ではなく、市民への偽りなき真っ当なる姿勢であり、この教訓を切に今後に生かしてまいる所存です」
などと述べました。

判決は7月21日に言い渡される予定です。

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