海岸や河川敷に営巣する希少種コアジサシが、神戸市垂水区の公園「アジュール舞子」の砂浜に飛来し、子育てにいそしんでいる。
カモメ科で体長約28センチ。4月以降、砂地のくぼみなどで産卵し、雄雌が交代で約20日間温める。兵庫県版レッドリストではBランクに指定され、絶滅の危機が増しているとされる。
環境省の調査によると、国内各地で営巣地が減少し、カラスや人の接近も繁殖を阻害している。巣立ちができるひなが1割にとどまるケースもあるという。
公園の管理者は営巣地周辺を立ち入り禁止にして保護。日本野鳥の会ひょうごの岩崎健二代表(70)は「ストレスが強まると子育てを放棄する恐れがある。観察はできる限り短時間で切り上げてほしい」と呼びかけている。(小林良多)