「核廃絶の展望が見えなかった」被爆者7団体が声明 平和公園に「核のボタン」持ち込みも批判

5月のG7広島サミットについて被爆者7団体は26日、「核廃絶の展望が見えなかった」とする声明を発表しました。

広島被爆者団体連絡会議 田中聰司事務局長
「これはがっかりしたという声、怒りの声などがくすぶっている状況です」

声明を発表したのは、県内の2つの被団協など7つの被爆者団体です。声明では▽招待国のインドを含む4つの核保有国が原爆資料館を見学したこと▽日韓首脳がそろって韓国人原爆犠牲者慰霊碑を参拝したことを評価しました。

その上で、アメリカが核攻撃を指令する通信機器などを指す、いわゆる「核のボタン」を平和公園に持ち込んだとされることについて、「原爆犠牲者への冒とくだ」などと非難しました。

さらに成果文書の「広島ビジョン」については、核抑止の考え方を前提に作成され、「核廃絶への道筋の提示が全くなかった」と指摘しました。

広島県被団協 箕牧智之理事長
「中国、ロシア、あるいはパキスタン、インドなど、どうやって説得していくのか。われわれ被爆者の願いは核兵器の廃絶だ」

被爆者7団体は、8月6日に岸田総理と面会した場合、今回の声明について伝え、日本政府が核兵器禁止条約に署名・批准するよう改めて求めることにしています。

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