この時期に起きやすい「頭痛のメカニズム」と上手に付き合う“3つのポイント”

「梅雨時期は、いつも頭痛に悩まされている」というお悩みはありませんか?

その頭痛はもしかすると、寒暖差や、気圧、天気、湿度などが影響して起こる天気痛かもしれません。

天気痛による頭痛は、めまいや耳鳴りなどを伴うケースもあり、とてもつらいものです。今回は、梅雨に起こる頭痛のメカニズムや予防法、対策についてご紹介します。

梅雨の頭痛メカニズム

雨が降ると頭痛が起こるのには、気圧や気温が関係しています。

季節の変わり目や、台風の影響なども受けやすいため、気象病ともいわれています。

とくに梅雨の季節は湿度が高くなることで不快感が増して体調が悪くなり、自律神経系に影響が及ぶことで、頭痛が誘発されやすくなります。

頭痛には種類があり、片頭痛と緊張性頭痛ではメカニズムも異なります。

1. 片頭痛の場合

片頭痛は、多くは頭の片側だけがズキズキと波打つように痛みます。

低気圧になることで血管が拡張し、開いた血管が神経を圧迫することで片頭痛が誘発されると考えられています。

2. 緊張性頭痛の場合

緊張性頭痛は、頭がギューッと締め付けられるように痛みます。

これは、血管が収縮して、後頭部や首のまわりの筋肉が収縮することが原因です。

また、体内で生成される「セロトニン」というホルモンは、気圧や気温の変化で不安定になってしまいます。セロトニンは血管を収縮させる働きがあり、この働きが乱れてしまうと、血管を取り巻く神経がダメージを受けてしまうのです。

雨で頭痛が起こりやすいのはこんな人

低気圧や気候の変化で頭痛を感じてしまう人は、自律神経が過敏に働き過ぎている可能性があります。

とくに月経がある女性に多い傾向があります。その理由は、月経に対応するためにホルモンを調節することに加えて、気象の変化にも自律神経を調節することが困難になるからだと考えられています。

梅雨の頭痛と上手に付き合うポイント

梅雨の時期の頭痛は、血行が悪くなること、からだを正常に保つための自律神経系が乱れること、疲れやストレスがたまることなどが要因となります。

そのため、頭痛を引き起こさないように血流をよくするような工夫や、急激な気候の変化に振り回されない予防策をとることが大切です。

1.耳マッサージ

耳の奥には気圧の変化をキャッチするセンサーがあり、それが過剰に反応すると自律神経が乱れてしまうことがあります。

また、耳の血行が悪くなると、耳がむくみ、頭痛が引き起こされやすくなるため耳をマッサージするとよいでしょう。

両耳を手でつまみ、やさしく引っ張ったり、回したりすることで血行がよくなり、内耳の状態も解消されます。

手のひらで両耳を覆い、耳全体を回しながらほぐすのもおすすめです。

また、耳の後ろにある完骨と呼ばれるツボに蒸しタオルやホットのペットボトルを当てて温めることで、内耳の血行が整います。

2.からだを冷やさない工夫

血行不良を防ぐためにも、からだを冷やさない工夫をしましょう。

40℃以下のぬるめの湯舟につかり、からだを温めることで血行がよくなり、副交感神経が優位になります。緊張がほぐれるため、質のいい眠りにも期待ができます。

また、耳や首の周りを冷やさないために、外出する際は帽子やスカーフなどをとり入れるといいでしょう。

3.頭痛の記録をつける

自分の痛みのパターンを知るために、頭痛日記や記録をつけることもおすすめです。

その日の天気、気温、気圧、睡眠、痛みの程度、運動の有無などをメモしておくと、どのようなときに頭痛が起こるのかを予測することができます。

台風がくる前に症状が強くなるなど、自分の頭痛タイプを把握できると予防策がとれるようになります。

毎日の記録が苦手な人は、簡単に使えるアプリを使うと便利に続けられるでしょう。

梅雨の頭痛に悩む人には漢方もおすすめ

梅雨の時期になると、頭痛を繰り返し困っているという人には、漢方薬を用いた治療がおすすめです。
梅雨に頭痛が悪化するのは、気圧や湿度の変化により血管が拡張して神経を圧迫することや、自律神経の乱れが原因と考えられています。漢方薬は、水分の循環をよくして血管拡張や自律神経の乱れを整えることで、梅雨の頭痛の根本改善を目指します。

<梅雨特有の頭痛におすすめの漢方薬>

・五苓散(ごれいさん)
利尿や発汗を促し、水分の巡りを改善することで血管拡張を抑え、自律神経の乱れを整えます。頭痛やむくみ、下痢、二日酔いなどにも用いられます。

・苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
五苓散と同じく、水滞を改善する漢方薬で、頭痛のほか、めまいやふらつき、立ちくらみ、動悸などにも用いられます。

水分の巡りを改善する漢方薬はいくつもあり、症状や体質によって使用されるものが異なります。
漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こる場合もあります。自分に合う漢方薬を見つけるためにも、服用の際は漢方に詳しい専門家に相談するのが安心です。

スマホで気軽に専門家に相談できる「あんしん漢方」のような、オンライン個別相談も話題です。あんしん漢方はAI(人工知能)を活用し、漢方のプロが効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれるオンライン漢方サービス。

スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談できますよ。

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水分をため込まないからだを作ろう

普段より、余分な水分をためないためにも、水の巡りのいいコンディションを保つことが大切です。

適度な運動習慣をとり入れ、ジワッと汗をかけるようにしておくことや、ストレスをうまく発散して気分よく過ごすこと、水分を摂り過ぎないことなども心がけましょう。

また、睡眠不足や偏った食事などにも気を付けましょう。不調を起こさないからだを作るためには、バランスよく栄養をとり入れ、質の良い眠りをする食養生が必要なのです。

■この記事を書いた人

相田 彩(あいだ あや)

昭和薬科大学薬学科卒業。総合リハビリテーション病院・精神科専門病院・調剤薬局の現場で漢方薬が使用される症例を多く経験。

医薬品での治療だけではなく、体質や症状に適した漢方薬を活用し根本改善を目指すことの重要性を実感する。

現在は、症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でサポートを行っている。

(mimot.(ミモット)/ あんしん漢方)

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