害虫なんて食べてしまえ! クビアカツヤカミキリ「食べる会」 足利で開催

調理したクビアカツヤカミキリを食べる参加者

 昆虫食で地域活性化を目指す任意団体「昆虫食のセミたま」(東京都多摩市)は24日、栃木県足利市相生町の市生涯学習センターで「クビアカツヤカミキリを食べる会」を初めて開いた。栃木県内外から15人が参加し、桜や桃などの樹木を枯らしてしまう特定外来生物の害虫を食べて駆除できないか、可能性を探った。

 市内では2016年、県内で初めてクビアカツヤカミキリが確認され、市が駆除に力を入れている。

 同団体によると、クビアカツヤカミキリを食べるイベントは国内初。「味が良ければ注目され、民間が商品化するために捕獲する。税金に頼らない駆除が実現できるのでは」と考え企画したという。

 同日、参加者が市内の旧袋川沿いで捕獲したクビアカツヤカミキリを、煮沸消毒して調理した。ゆでてから解体して胸部や腹部を食べたり、素揚げや燻製(くんせい)にして丸々味わったりした。

 東京都杉並区荻窪、会社員鬼柳(おにやなぎ)まいさん(30)は「胸はパサッとした食感で、腹はとろっとしていた。予想より食べ応えもあり、さっぱりしていておいしかった」と話した。

 伊藤洋平(いとうようへい)代表(40)は「身近で捕って食べるといった活動が市民レベルで広がっていけば、自然と淘汰(とうた)できるのでは」と期待している。

 市内の旧袋川沿いでは同日、市の呼びかけによる駆除活動「クビアカみっけたい!」も行われた。親子連れなど約60人が参加。クビアカツヤカミキリが寄生する桜並木の堤防沿い約500メートルを1時間ほどかけて見回り、樹木に止まっている姿を見つけると虫取り網で次々と捕らえ、約130匹を退治した。

 桜小5年飯塚結菜(いいづかゆうな)さん(11)は「協力して捕まえようとしたが、逃げてしまったものもいた。次はいっぱい捕まえたい」と話した。

クビアカツヤカミキリを捕獲する子どもたち

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