山下投手「光栄」ソフト代表 金沢学院大のエース、111キロ左腕

日本代表に選ばれた山下投手=金沢学院大ソフトボール場

  ●最年少21歳・唯一の大学生

 金沢学院大ソフトボール部のエース山下千世(ちせ)投手(21)=金沢学院短大現代教養学科2年=が日本代表に初選出された。22人のうち国内最高峰のJDリーグから21人が選ばれ、山下投手は唯一の大学生で最年少。最速111キロを誇る左腕は8月の日米対抗戦でデビューする予定で「光栄なこと。トップ選手からいろんなことを吸収し、大学に持ち帰りたい」と意気込んでいる。

 静岡県出身の山下投手は身長164センチで、U14、16、18と各世代の日本代表を経験してきた。浜松市立高卒業後、JDリーグのビックカメラ高崎で1シーズン過ごした後、金沢学院短大に入学した昨年はインカレ初優勝に貢献した。

 代表選手を選ぶ合宿では「全く通用しないわけでもない」と自信を深めていた山下投手。投手は7人で、40歳の上野由岐子(ビックカメラ高崎)や後藤希友(みう)(トヨタ)ら東京五輪の金メダリストが並ぶ。憧れのトップ選手からは「心の持ち方などをつかみ取りたい」と前を向く。

 金沢学院大では多田邦宏監督、2008年北京五輪金メンバーの藤本索子(もとこ)コーチの指導を受け、エースとして着実に力を伸ばしてきた。多田監督は「代表入りは貴重な経験になる。代表戦の後には、2連覇が懸かるインカレが控えているので、チームに還元してくれればうれしい」と飛躍を願う。

  ●8月に米国戦

 日本代表女子は日米対抗シリーズ(8月2~8日、山口、福島、神奈川県)に臨む。「JAPAN」と刻まれた代表用のグラブには、強い意志を持って努力するという意味を持つ「磨穿鉄硯(ませんてっけん)」の文字も刺しゅうした。「落ち込んだ時に知った言葉です。一番年下なので気を遣うこともあるが、視野の広い選手になって成長したい」と誓った。

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