元豊山、涙でまげに別れ 「相撲に生かされた」

断髪式に臨む元豊山の小柳さん。兄弟子の正代からねぎらいを受ける=東京・両国国技館

  ●金沢学院大附高OB、国技館で断髪式 

 昨年11月の大相撲九州場所限りで現役引退した元幕内・豊山の小柳(おやなぎ)亮太さん(29)=新潟県出身、金沢学院大附属高OB=の断髪式が25日、東京・両国国技館で開かれ、東農大の先輩で兄弟子の小結・正代ら430人がはさみを入れた。トレーナーに転身した小柳さんは「6歳で相撲を始め、相撲に生かされてきた。恩返しできるよう、相撲を好きになってもらえるような活動をしたい」と第二の人生を見据えた。

 両親がはさみを入れると涙があふれた。中学を卒業して金沢に相撲留学した当時を「新潟から出てくる時も、全部勝手に決めて、両親には苦労を掛けた」と小柳さん。「最後にはさみを入れさせてあげることができてうれしかった」と振り返った。

 兄弟子の豊ノ島さん(元関脇)や弟弟子の豊雅将(ほうがしょう)(白山市出身、鶴来高OB)、金沢学院大附属高の村中幸子校長、恩師で同高相撲部の大澤恵介総監督らが出席し、最後は師匠の時津風親方(元幕内土佐豊)がはさみを入れた。

 最高位は西前頭筆頭で、幕内在位26場所で敢闘賞1回獲得した小柳さん。4月に秋葉原でジムを開設し、二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)も通っている。来年にはマット式の土俵を併設した2号店も開く予定で「きれいな四股を踏める人を増やしたい」と夢を語った。

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