ミャンマーの住民弾圧「刑務所のよう」、京都精華大特任准教授が大津で訴え

軍政による弾圧が続くミャンマー市民の状況や抗議活動について話すナンミャケーカインさん(大津市中央2丁目、中央市民センター)

 国軍による住民弾圧が続くミャンマーの現状を伝える人権学習会が24日、大津市中央2丁目の中央市民センターで開かれた。同国出身で京都精華大特任准教授のナンミャケーカインさん(51)が、「刑務所にいるような」人々の暮らしや命懸けの平和的な抗議を紹介し、関心を持ち続けてほしいと訴えた。

 ナンミャケーカインさんは、2021年2月の軍事クーデター以降、現地の状況について情報発信し、弾圧下の人々の表現活動を支援する団体「WART」でも活動している。

 学習会では、軍政に対する抗議活動などで3600人以上が殺害され、180万人を超える国民が国内外に避難していると説明。一方、軍による連行や銃撃を避けるため、世界人権デーに誰も外出せず、商店も閉めるサイレント・ストライキを実施したり、銃弾の資金になる税金や電気代を払わない運動をしたり、平和的な意思表示が粘り強く続いていると紹介した。

 さらに、市民の抵抗は、風刺画を描いたり、詩集や映像作品を作ったりと「ソフトパワー」に広がっていると指摘。そうした作品がミャンマー市民の苦難を世界に訴え掛けているとした。

 参加者から日本人ができることを問われたナンミャケーカインさんは「日本政府には期待していない。自分たちのことは自分たちで何とかしないと、と腹をくくっている」としつつ、「夏祭りで日本の盆踊りに近いミャンマーの踊りを紹介してもらうなど、ミャンマーを身近に感じてもらえるとうれしい」と話した。

 講演会は、同市中央学区「人権・生涯」学習推進協議会が主催し、約90人が参加した。

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