九十九島観光公園で「一定湯量の温泉期待」 地下水探査、佐世保市が報告

 定例佐世保市議会は26日、一般質問を続行し、7人が登壇。佐世保市は温泉を含む地下水探査をしていた俵ケ浦半島の九十九島観光公園で「一定の湯量の温泉が期待できるとの見解を得た」と報告した。
 柴山賢一議員(市民ク)の質問に杉本和孝企画部長が答えた。市は2021年3月末にオープンした観光公園内への九十九島動植物園(森きらら)の移転検討に加え、滞在型施設などと一体的な公園活用策の可能性を調査していた。
 市政策経営課によると、地下水探査は21年9月以降、断層の有無や地下水の分布状況などの地質状況を推定するため、観光公園(約13ヘクタール)の25カ所で実施。地下1200メートルの深さで断層の近くに帯水層と言われる地層を確認、温泉の可能性があるという。地下150メートル付近の地層では、塩分の影響を受けない地下水とみられる一定の帯水層が確認された。
 杉本部長は答弁で「温泉については掘削後の揚水試験で初めて具体的な湯量や成分が判明する」と説明。ただ、掘削には数億円単位の費用が必要になることから、観光公園の活用策の全体像の中で掘削の是非を検討するとした。
 俵ケ浦半島全体の活性化について宮島大典市長は「観光資源や地域資源、遊休資源と九十九島を有機的に機能させることでどこにも負けないオンリーワンの観光地になるのではないか」と述べた。

© 株式会社長崎新聞社