つつが虫病で今年初死亡者 青森県内 ダニが原因、草地に注意

 青森県は26日、青森市保健所管内の80代女性が、ツツガムシに刺されることで感染する「つつが虫病」によって死亡したと発表した。つつが虫病による死亡は今年初めて。つつが虫病は治療が遅れると重症化の恐れがあるとして、県は草地に入る際に肌の露出を避けるなどの予防策や、発症した場合の速やかな医療機関の受診を呼びかけている。

 県や青森市保健所によると、女性は6月上旬に発熱や発疹などの症状が現れ、体が動かせない状態に症状が悪化した。8日に入院したが、13日に死亡した。皮膚の刺し口や原因菌の検査結果から、医師がつつが虫病による死亡と判断し、保健所に発生届を提出した。女性は発症前に、草刈り作業を行っていたことがあるという。

 ツツガムシは山林や草地、耕地にすむ有毒ダニの一種。幼虫に刺されることで、つつが虫病の原因菌に感染する。5~14日の潜伏期間を経て発症する。県内では春から初夏の期間と、秋から初冬の期間に発生がピークを迎える。

 県内では2022年にも、つつが虫病患者1人の死亡が確認されている。県はこの1人について、つつが虫病が直接の死因かどうか、明確には分かっていないとしている。

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