地域の手入れあってこそ…夕焼け映す「棚田の鏡」 淡路・生田 写真愛好家ら島内外から来訪

空の移り変わりを鏡のように映した棚田=淡路市・生田地区

 6月も下旬になり、兵庫県淡路島の田植え作業は終盤を迎えている。中旬ごろに水を張り始めた淡路市・生田地区の棚田では、水面に夕焼けなど空の様子が鏡のように映り、この時期ならではの光景が広がっている。

 淡路市には昔ながらの棚田が残る場所があり、生田地区もその一つ。田植えの時期になると、島内外から写真愛好家らが訪れ、三脚を立て、レンズをのぞく。

 雨が途切れた23日、日没前の午後6時半ごろから同地区に数人の愛好家らが集まった。厚い雲が広がってはいたが、沈んでいく太陽が雲の隙間からのぞくと、棚田がほんのりとオレンジ色に染まった。

 撮影に訪れた同市の愛好家の男性(35)は「雲が厚めだったが、悪くない写真が撮れた」と満足そうな表情。「各地で棚田が少なくなる中、地域の人が手入れを続け、この風景を残しているのはいいこと」と話していた。(中村有沙)

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