最大の「蛇行剣」を初公開 奈良・富雄丸山古墳

奈良市の富雄丸山古墳から出土し、報道陣に公開された国内最大の鉄剣「蛇行剣」。右が剣先=27日、奈良県橿原市

 奈良市にある日本最大の円墳・富雄丸山古墳(古墳時代前期、4世紀後半)で見つかった国内最大の鉄剣「蛇行剣」(長さ2.3メートル、幅6センチ)が27日、奈良県立橿原考古学研究所(同県橿原市)で初めて報道陣に公開された。蛇のように曲がった蛇行剣は発掘後、土やさびを取り除くクリーニングなどの処理をしていて実物は非公開だった。

 現場で露出していた面の応急処理が終了し、同研究所でエックス線撮影や付着物の化学分析を実施。さやは木製で、剣には漆を伴う装具の跡が残っていた。漆の表面はさらに、水銀が主成分の鉱物「辰砂」を用いた赤色顔料による彩色があった。剣は七カ所ほど曲がっているとみられる。

 古墳時代を専門とする同研究所の岡林孝作学芸アドバイザーは「付着していた有機物から剣の状況が明らかになりつつある。(露出していた)上の面よりも下の面の方が残りはいいと考えられ、今後の調査に期待ができる」と話した。

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