「塀の中の生活は1000日に」河井元法務大臣が証人出廷 大規模買収事件の被買収側裁判で収監後初めて公の場に「買収の意図否定できない」

4年前の参議院選挙をめぐる大規模買収事件の被買収側の裁判で27日、実刑判決が確定している河井克行元法務大臣が証人として出廷しました。

河井克行・元法務大臣は2021年、公職選挙法違反の罪で懲役3年の実刑判決を受けています。

27日に開かれた元広島市議会議員の藤田博之被告の公判に証人として出廷しました。克行元大臣は丸刈りで黒っぽいスーツを着て入廷しました。裁判長から名前を聞かれると、はっきりとした大きな声で答えていました。

検察側から、渡した現金の趣旨について問われると、「陣中見舞いや党勢拡大だ」としながらも、「(妻の)河井案里の当選を得たい気持ちがあったことは、否定できない。そういう気持ちが全くなかった訳ではない」と述べました。

藤田被告の弁護人から、「現金を渡した際に、藤田被告からは案里さんの応援はできないと言われたはずだが」と問われ、克行元大臣は「藤田さんがダメなら、藤田さんが率いる会派の中で、河井案里を応援してもらえる人を紹介してもらえないかという期待感はありました」と話しました。

一方で、藤田被告に渡した現金の額やタイミングについては、「4年前のことなのでよく覚えていません」などと繰り返しました。自分がしたことについてどう考えているかと問われると、30秒ほどの沈黙のあと、こう話しました。

「今月末には、東京拘置所を含めると塀の中の生活は1000日に達します。その間、毎日のようにふるさとの光景やいろんな行事の光景が、夢に出たりフラッシュバックのように脳裏によぎったりします。4年前の戦いで河井案里と書いた29万5871人の方々を裏切り、失望を与え、私が行ってしまったことに心からお詫びを申し上げたい」

全ての質問に対してまっすぐ前を向いて淡々と答えた克行元大臣。克行元大臣は今後、別の被告人4人の裁判に出廷し証言する予定です。

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