山形花笠太鼓、8月本番へ猛特訓 打ち手8人が新加入

まつり本番に向けて太鼓の練習に励むレイチェルさん(左)=山形市

 山形市の夏を彩る「山形花笠まつり」(8月5~7日)の盛り上げ役として欠かせない「山形花笠太鼓」(小野隆一会長)。今年は打ち手8人が新加入し、本番までほぼ連日にわたる猛特訓に汗を流している。イギリス出身の女性や3姉妹、親子など個性的な面々で、祭り本番に向けて練習に熱が入る。

 山形花笠太鼓は高校生~60代の会員約40人を有する。まつりでは山車に乗るほか市役所前で、練習量や経験、コンディションなどを加味して交代で演奏する。音頭に合わせ、一つの太鼓を二人でたたく。音をそろえ、腕を直上に振り上げる独特のたたき方も見せ所の一つ。威勢の良い掛け声を発し、勇壮さを伝えるため表情にもこだわる。練習は月~土曜日の週6日。本番が近づく3週間前には毎日練習し、体にリズムを刻み込む。

 練習は午後7時から約2時間で、今年は6月12日からスタートした。新人メンバーにベテランがばちの持ち方、姿勢などを一から教える。最初は、ぎこちなくても1週間もすると、軽やかになるという。小野会長は「音楽だけでなく、太鼓でも踊らせることができるイメージを持つことが大事。見ている人に『すごいね』と言われるには毎日の練習が必要」と話す。

 新加入のイギリス出身で山形市の外国語指導助手(ALT)、レイチェル・ヘザリントンさん(30)は2021年に来日し、まつりに参加するのは初めて。母国でブラジルの太鼓をたたいていた経験があり「楽しそうだ」と思ったのが参加のきっかけだ。「右、左と覚えるのが大変だけど、毎日の練習が楽しみ。上手になりたい」という。

 山形市内に住む3姉妹の会社員海野里奈さん(24)と愛奈さん(20)、高校生陽奈さん(16)は「ようやくコロナ禍が明け、祭りらしい祭りができる。応援してくれる家族、観客にかっこいい姿を見せたい」と意気込み、ばちを手に汗を光らせていた。

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