“黄金世代”、挑む東北V 来月1、2日に秋田で六県将棋大会、中高生3人の本県チーム

(左から)副将の清野達嗣四段、大将の三浦寛人五段、先鋒の奥山健信二段

 7月1、2日に秋田市で開かれる東北六県将棋大会(山形新聞社など主催)に、県内棋戦を席巻する中高生のホープ3人が本県代表として臨む。各県代表のうち、全員が10代なのは本県のみ。チーム最年少ながら大将を務める三浦寛人五段(13)=山形一中2年=は「他県の強豪との戦いが楽しみ」と闘志を燃やし、団体戦で3大会ぶりとなる東北一を目指す。

 本県チームは今月4日の県最強戦で優勝した三浦五段に加え、2位の清野達嗣四段(17)=寒河江高2年=が副将、3位の奥山健信二段(17)=山形東高3年=が先鋒(せんぽう)をそれぞれ務める。

 居飛車党の三浦五段は5月の県選手権大会を史上最年少で制した勢いのまま、最強戦でも高い集中力を発揮して頂点に上り詰めた。月2回、仙台市で開かれている日本将棋連盟主催の東北研修会に参加し、酒田市出身の阿部健治郎七段らプロの指導を仰いで同世代のライバルと腕を磨く。

 県内の関係者は「この1年で急激に力を伸ばした。序盤の劣勢を苦にせず、寄せのミスも少ない」と口をそろえる。東北での躍動を期待される成長株は「雲の上の存在だった先輩たちとチームを組めてうれしい。県代表の名に恥じない将棋を指す」と力を込める。

 一方副将、先鋒の2人も、本県ジュニア“黄金世代”の一角を占める猛者だ。清野四段は2月の全国高校新人大会で2位に入り、奥山二段は昨年の県選手権を制した。共に将棋部に所属して県内高校棋界のトップを走り、8月の全国高校総合文化祭出場を決めている。

 清野四段は「緊張よりもわくわくする気持ちが強い。団体も個人も全部勝ちたい」、奥山二段は「一局一局を大切に指し、最年長としてチームワークにも気を配る」と意気込む。

 県内では春のアマ名人戦で10代が表彰台を独占するなど、若手の活躍がめざましい。チームを束ねる石井知征監督(73)=日将連県支部連合会幹事長=は「長年取り組む若手育成の成果がはっきりと出てきた。3人とも十分戦えるレベルにあり、気負わずに実力を出し切ってほしい」と期待した。

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