観光客ら客足回復が影響? たばこポイ捨てまた増えてます 姫路駅周辺で1~5月、前年比3割増に

姫路駅北のベンチに設置されている路上喫煙の禁止を呼びかけるプレート=姫路市駅前町

 路上での喫煙が禁止されている兵庫県姫路市のJR姫路駅周辺で、今年に入りたばこの吸い殻のポイ捨てが増加している。市の調査では、1~5月の吸い殻の数が前年比で約3割増となり、みゆき通り商店街前のポイ捨てが目立つ。市は、3月にマスク着用が個人の判断に委ねられるなど新型コロナウイルスによる制限が緩和され、居酒屋の利用客や観光客が戻った影響とみている。(田中宏樹)

 市は大手前通りや姫路駅の南北の広場を路上喫煙禁止区域に指定。区域内で喫煙すると千円の過料が科される。2020年春には、駅北側にあった指定喫煙場所も廃止した。

 調査は駅周辺を清掃する市シルバー人材センターに委託し、21年8月から実施。区域内の5カ所で、毎月第1、3月曜と金曜の計4回、朝の清掃前に吸い殻の本数を調べている。

 22年8~12月の5カ月間は計1674本で前年同期を153本下回ったが、今年1月以降はいずれの月も前年を上回る。以前に比べて新型コロナへの警戒が薄らいだ新年会シーズンの1月は337本と前年から94本増え、5月も310本と66本多かった。1~5月の合計は1475本で前年同期を311本上回った。

 場所別では、姫路駅北のみゆき通り商店街前が694本で約半数を占め、駅中央コンコース北の広場が430本で続いた。市美化業務課の三浦洋明課長(49)は「周辺で飲食をし、駅前のベンチで一服する人が多いのだろう」と推測する。

 市は駅前の大型ビジョンなどを活用し、市民や観光客らへの啓発を検討する。三浦課長は「外国人にも喫煙禁止区域であることが伝わりやすい看板の設置も考えたい」と話した。

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