宝暦年間の「国絵図」、青森県内初確認 津軽領を記録「130年の空白埋める発見」

五所川原市の有形文化財に指定された「御郡中惣絵図」(同市提供)

 青森県五所川原市が所有する、藩政期の津軽領を描いた「御郡中惣絵図(おんぐんちゅうそうえず)」が、県内では初確認となる宝暦年間(1751~64年)作成の「国絵図(くにえず)」であることが27日までに分かった。同市教育委員会は専門家の調査結果を受け、今年3月、市の有形文化財に指定した。

 日本近世史が専攻で国絵図の研究を行っている本田伸・青森商業高校教諭は「弘前藩が作成したもので既に存在が明らかになっている国絵図のうち、元禄年間と天保年間作成のものの間の約130年の空白を埋める貴重な発見。津軽領の移り変わりを研究する材料になる」と話している。

 御郡中惣絵図は縦349センチ、横427センチの大きさ。市教委社会教育課の江戸邦之主査は「非常に史料的価値の高いもの。将来的な研究のために管理をしっかりしていきたい」と話している。

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