「82%がスパイクに不快感」初のECA女子サッカーサミットがロンドンで開催!金融規制やスパイクの研究結果などが議題に

[写真:Getty Images]

26日、初のECA女子サッカーサミットがロンドンでスタート。欧州女子サッカーの現状や用具等に関する議論、将来への展望などが議題に挙げられている。

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第1回となる今サミットはヨーロッパクラブ協会(ECA)の主催で行われ、2日間わたって開催。女子サッカーコミュニティ全体から著名な人物、専門家、関係者、メディアが集まり、議論がなされている。

開幕の辞を述べたのは、ECAの会長で、パリ・サンジェルマン(PSG)の社長兼CEOでもあるナセル・アル・ケライフィ氏だ。

「本日、FIFA、UEFA、リーグ、クラブ、FIFPROの代表者、そして女子サッカー業界のすべての関係者とともに、初のECA女子サッカーサミットに出席できることを誇りに思い、光栄に思います」

「私たちの仕事はまだ始まったばかりです。 女子サッカーには、さらなる投資、イノベーション、専門知識、認知度、そして『チェンジメーカー』が必要です。このサミットには私たちを前進させてくれる適切な人材が揃っていると確信しています。女子サッカーはECA理事会全体と私自身の全面的なサポートを受けています。女子競技の利益のために全員で協力しましょう。ともに歩めば最大の成果が得られるはずです」

司会を務めるのはプレミアリーグやFA女子スーパーリーグ(FAWSL)などで解説を務めるジャッキー・オートリー氏。フランスサッカー界の重鎮でリヨンの名誉会長でもあるいジャン=ミシェル・オラス氏も登壇した。

イギリス『ガーディアン』では、マンチェスター・ユナイテッドのグループ企画責任者、フランチェスカ・ホイットフィールド氏による「格差拡大を阻止するために、男子よりも女子の試合ではもっと早い段階で財政規制の導入を検討すべき」との声を紹介している。

ホイットフィールド氏は「単純に男子チームの真似をすることはできない」ことや投資の必要性を踏まえながらも、「ライバルたちに追いつき挑戦するため、記録的な移籍金の前に我々もそれに追従しなければならなくなる。そこで問題になるのが『適切なレベルとは何ですか?』ということです」と、女子サッカー界の地位向上に伴うマネーゲームやクラブ格差が生じる可能性を危惧。同時に、移籍金勝負に敗れてエースのイングランド女子代表FWアレッシア・ルッソが退団することになったことを憂いでいる。

『スカイ・スポーツ』では、「スパイクに関する研究結果について」触れている。

同メディアの独自調査で「グラスルーツのスポーツをしている十代の若者たちは、ACL(前十字じん帯)膝再建手術を必要とする可能性が、20年前と比べて29倍高く、少女と若い女性のリスクが高いことが明らかに」なっていることも併せて紹介。

サミットにおいては、研究の結果「ECAが調査した350人の選手のうち82%は、スパイクを履いているときに何らかの不快感を感じた」ことが明らかに。男女による足の形状の違いなどから、育成年代用、成人女性用に向けた2種類のブーツの必要性を示唆した。

急激な発展を遂げている欧州の女子サッカー。財政面や選手の健康面、試合の運用についてなど、今後も注視し、ブラッシュアップしていく必要がある。

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